転職を考えている皆さん、ハローワークから再就職手当がもらえることをご存知でしょうか? 転職後の生活を支える大切な支援制度です。しかしながら、その存在や申請方法がわからないという人も多いはず。今回は、再就職手当の概要や申請方法、支給要件をわかりやすく解説します。
再就職手当は、失業者が再び就職する際に支給される手当てです。具体的には、雇用保険に加入していた方が失業し、その後一定期間就職活動を続けた結果、新たな職に就いた場合に支給されます。
再就職手当とは、失業保険を受け取っている間に新しい仕事に就くと、一部の失業保険がまとめてもらえるという制度です。その金額は、まだ受け取れるはずの失業保険の日数と、再就職までの期間によって変わります。
再就職手当をもらうためには、次の条件を全て満たす必要があります。
これらの条件を全て満たした場合、再就職手当を受けることができます。上記のうち、一つでも条件を満たさない場合、再就職手当は受けられませんので注意が必要です。
再就職手当の計算方法を詳しく解説します。再就職手当の額は以下の式で計算されます。
再就職手当の額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 10分の6
特に早期の再就職、具体的には基本手当を3分の2以上残して再就職した場合は、以下の式で計算されます。
再就職手当の額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 10分の7
この「基本手当日額」は、前の職場で離職日の直前6カ月に支払われた賃金の合計額を180で割って計算した金額の50~80%(60歳~64歳については45~80%)となります。この割合は、賃金の額が低い方ほど高い率になっています。また基本日額には年齢ごとに上限金額があり、令和4年時点の上限額は以下のようになります。
これらの数値を使って、再就職手当がいくらになるかを計算することができます。それでは、基本日額が7000円である40歳のAさんの再就職手当を計算してみましょう。
まず、Aさんの基本手当の支給日数を仮に150日とします。ここでは、Aさんが基本手当の残り日数が100日以上、つまり所定給付日数の3分の2以上残して再就職したケースと、50日以上100日未満、つまり所定給付日数の3分の1以上残して再就職したケースの2つを考えてみます。
基本手当の残り日数が100日以上(所定給付日数の3分の2以上)の場合
再就職手当の額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 10分の7再就職手当の額
= 7000 円 × 100日 × 10分の7 = 490,000円この場合、Aさんの再就職手当は490,000円になります。
基本手当の残り日数が50日以上100日未満(所定給付日数の3分の1以上)の場合
再就職手当の額 = 基本手当日額 × 基本手当の支給残日数 × 10分の6再就職手当の額
= 7000 円 × 50日 × 10分の6 = 210,000円この場合、Aさんの再就職手当は210,000円になります。
再就職を考えている方は、この制度をしっかりと理解し、自分が受け取ることができる金額を事前に確認しておくことをおすすめします。これにより、より計画的な転職活動が可能になります。
再就職手当を受けるためには、再就職先への入社日から1ヶ月以内に申請を行う必要があります。申請には以下の流れがあります。
1.採用証明書の取得
まずは再就職先から採用証明書をもらいましょう。この証明書には、職務内容や雇用条件などが詳細に記載されています。これが再就職手当の申請に必要な主要な書類となります。
2.ハローワークに採用証明書を提出
次に、ハローワークに採用証明書を提出します。この時点で再就職が確定したことをハローワークに知らせることが目的です。
3.再就職手当支給申請書などの書類の受け取り
ハローワークから再就職手当支給申請書などの書類を受け取ります。申請書は、再就職手当の申請に必要な書類の一つであり、これを記入し提出することで手当の申請が可能となります。
4.申請書の事業主欄・受給者記入欄の記入
申請書の事業主欄・受給者記入欄に、必要な情報を記入します。この記入作業には注意が必要です。間違いがあると申請が受け付けられないこともあるので、確認しながら丁寧に記入しましょう。
5.ハローワークに書類を提出
最後に、記入した申請書をハローワークに提出します。これで申請手続きは完了です。
これらの手続きは一見複雑に見えますが、一つひとつ丁寧に進めていくことで、スムーズに再就職手当を受けることができます。再就職を考えている方は、この制度を理解し、活用してください。
再就職手当は転職者には非常にありがたい制度ですが、忘れてはならないのが、申請期限です。再就職してから1ヶ月以内に申請しなけれればいけません。申請が遅れた場合、手当がもらえなくなってしまうので注意しましょう。
また、再就職先が非正規雇用(パートタイムや契約社員など)であっても、1年以上の雇用継続が見込まれる仕事であり、週20時間以上働くことが確定していれば申請可能です。ただし、非正規雇用者でも週20時間未満の労働では申請できません。
再就職手当は、転職後の生活をスムーズにするための重要な支援制度です。転職を考えている皆さん、この制度を活用しない手はありません。ただし、申請期限や支給要件など、しっかりと理解しておくことが大切です。転職活動が成功したら、忘れずに申請しましょう。
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